"Gute Nacht" from "Winterreise"
- Junko Nagaya
- 2 日前
- 読了時間: 3分

Dessau出身の詩人ウィルヘルム・ミュラーによって書かれた"Witerreise"「冬の旅」は1823年にザクセンのLeipzigで出版された”Urania”という本に掲載されました。
オリジナルの本を見るとWanlderlieber von Wilhelm Müller Die Winterreiseとなっています。
シューベルトはまず、この1823年に出版されたUraniaという本に載っていたミュラーの詩に基づいて”Winterreise”のFirst Part第一部を作曲したようです。
そしてこの詩集の最初を飾るのが”Gute Nacht”です。
まずはじめに”Gute Nacht”って?とすごく不思議に思いましたが、もしもこれがロマン派や、その後に出現する象徴主義の先駆けとなる詩であると考えた場合、納得がいくかもしれません。
何よりDebussyが作曲した、ピアノの為の前奏曲集Preludesの第一巻”雪の上の足跡”Des pas sur la neige"、この曲のインスピレーションの源って何処にあるのだろうか?
大学院でドビュッシーのピアノ作品に関する論文を書いた時から、ずっと疑問に思っていました。
今回、ゲーテインスティテュート・東京のオンライン講座「冬の旅」を受講し、OPEN DAYのイベントや演奏会で演奏する為の準備中に気が付いたのですが、どうやらシューベルトの「冬の旅」は、19世紀初頭から、フランス語の歌詞がつけられて出版されていたようです。
日本人の感覚からすると、シューベルトの歌曲にはドイツ語の歌詞しかあり得ないと思うのですが、何故か19世紀には、ウィーンの出版社からドイツ語とフランス語の歌詞が併記された楽譜が出版されていたようです。
それならばドビュッシーがフランス語の歌詞がつけられた、シューベルトの「冬の旅」を知っており、そこから着想を得て「雪の上の足跡」を作曲した可能性は非常に高いのではないでしょうか?
しかも”Gute Nacht”と”Des pas sur la neige"は同じ調性で作曲されています。
大学院で論文を書いていた頃に読んだ文献には「雪の上の足跡」がどこから着想をえて書かれたものかわからないとされていた記憶があります。ドビュッシーとシューベルト、さすがに、この二人の作曲家の作品を比較して論じようと思う人は、正直なところあまりいないと思います。
でも、シューベルトの「冬の旅」にフランス語の歌詞がつけられて出版されていたら話は違ってくるのではないでしょうか?
やはりクラシック音楽の背景をよく理解するには、語学の知識って重要なんだな…と思いました。いろんな言語が読めることで、今まで気が付かなかった事に気が付くように。
最近はヨーロッパの図書館もデジタル化されており、日本にいながら、オンラインで様々な資料を見ることが可能になりました。
私が日本の大学院で論文を書いている頃は、資料を収集することが出来ず、苦労したのに…
今回はバイエルン州立図書館のDegitale Sammlungenで19世紀に出版された本や楽譜を閲覧させて頂きました。ありがとうございました。Vielen Dank‼
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